これから医学部受験をする高校生へ考えて欲しいこと

医学部に入ろうとしている高校生に考えて欲しい
これから書く事は夢を壊すようなエントリーになるかもしれない。

だが、進路を決める前に、特に高校生の女性には読んで考えてほしい。

医学部に入ったら、人生はもう後戻りは出来ない。

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人間としての医師

私の妻は医師だ。結婚してもうすぐ丸4年になるが、傍で見ている私には、ある疑問が湧いてくることがある。

「医師の人生は幸せなのだろうか?」

周囲からは「お医者さんなの?すごい!かっこいい!」と言われることは多いが、実際は凄くもないし、かっこよくも無いと思う。

医師も普通の人間だ。肉体的な消耗もするし、特に精神的な辛さは大きい。医者になってからは帰宅時間は夜9時~10時くらいは普通になり、休みはほとんど無い(科にもよるが)。30代中頃までは月10回も当直で、ほとんど家にいない。

だから、自分のやりたいことは、ほとんど出来なくなる生活になる。趣味もやれない、休みも取れない、体と心は疲弊していくばかりだ。そして上下関係社会が強い。ほとんどの人は、医師の世界と医療のシステムに流されて生きていくことになる。

やりがいのあるはずだった仕事が、いつしか「辛い」「行きたくない」という言葉も出てくる。でも、もう逃げることはできない。普通の生活は送れない一生になる。

自分の人生が一生こうなることが、かっこよくて凄いことなのか、幸せと感じるのか、よく考えてみて欲しい。

選択肢が無い

医学部に入ると選択肢が無い

もし医学部に入ってなければ、もっと多種多様な選択肢がある。1度大学を卒業してから会社を立ち上げることだってできる、以前とは全然違うジャンルの職業に転職も出来る。趣味を突き詰めてそれを仕事にすることも出来る。人生は自由だ。

だが医学部に入って卒業すると、人生の選択肢は「医師」意外に選べなくなる。稀に医師になってから関連性の無いジャンルの会社を立ち上げる人はいるが、本当に稀で、基本的には医師をやめることはできない。

つまり、医学部に入って1度医師になると、人生に選択肢がほとんど無くなる。医師という肩書に一生縛られることになって、そこから抜け出したくても抜け出せなくなってしまう。

医学部を出てサラリーマンを目指そうと思っても、「なんで医者にならないの?」「そんな人は雇えないよ」と言われる。がんじがらめの人生になる。

医師はサービス業

今、「お医者さんになることが夢だ」と思っている高校生はいると思う。だが、そう夢を描いている高校生は、おそらく「患者さんの病気を治せたら、素晴らしいことだと思う」「人の命を救いたい」と良いことばかりに目を向けていると思う。だが、現実はそういうことばかりではない。医師になった後の事を考えていないだろうし、現実をよく知らないのだろうと思う。

私には医師の友人も多いのだが、その方たちの話を聞いていると、医師は「人の命を預かるサービス業」だと言えると思っている。

病気は人を選ばない。だから患者にはいろんな人がいる。そして医師は患者を選ぶことはできない。インテリジェンスの低い人もいるし、自分の都合しか考えていない人も大勢いる。皆、治ると思って来る。希望通りにいかないと、罵倒される、暴力を振るわれることもある。

患者の家族は「医者は病気を治すのが当たり前だ」と考えている人も多い。どうにもならない病気で亡くなってしまっても、遺族は納得しないこともあり、担当医を「人殺し」と罵る(ののしる)こともある。そう言われると、「治療方針を変えていたら、もしかしたら助かっていたかもしれない。自分のせいで患者は死んでしまったのでは?遺族に悲しみを与えてしまったのでは?」という考えが頭をよぎる。結果、ずっと苦しむ。

外に出るのが怖くなる。苦しんでいる患者やその家族に会ったらと思うと恐くなる。遊んでいるところを見られたりしたら、どう思うのだろう?と考えてしまう。住んでいる街が窮屈になる。

自分の常識が通じない人と、沢山接することになる。そうした人たちにでも、自分を殺して優しく接し続けなければいけない。そして治らない病気も多い。さらに病院側の経営の都合も介入する。実態は「サービス業」と変わりなく、責任は重い。

女性の場合

女性が医学部に入る場合
医師の世界では「女性だから」というのは全く通用しない。完全に一人の医師として見られる。一般職の場合は、なんだかんだで「女性だから」は今でも大いに通用する部分がある。

結婚も難しい。女医の結婚率は約5~6割で、そのうちの9割は医師同士で結婚し、半分近くが離婚するというデータが出ている。女医の結婚率が良くない原因は、多忙による出会いの機会損失だ。

そして私は何組かの医師カップルを見ているが、半分近くは離婚している。その理由の多くが「夫婦のすれ違い」。お互い激務だから、同じ家に住んでいても何日も顔を合わせない事もある。特に結婚適齢期の30歳前後の医師は仕事が忙しいから、大抵すれ違う。夫の浮気による離婚も多いと聞く。

生涯のパートナーがいない人生を送る可能性が高い。家に帰ると、いつも一人。両親もいつかは死ぬ。パートナーや子供がいなければ、自分が死ぬ時は独りきりになるかもしれない。

「将来は結婚して子供を産んで、温かく楽しい家庭を築きたい」という女性としての夢があるなら、医学部に入ることで、それが叶う可能性は低くなる。受験前から「どうなっても構わない、普通の家庭はいらない、一人でも構わない」と覚悟を決められるなら、そのまま医師を目指して良いと思う。

将来の自分がどうなっていることが一番幸せなのか、よく考えてみて欲しい。

最後に

医学部に入ろうとしている高校生と女性に考えて欲しい
メディアなどでは良い面ばかりがピックアップされているため、それだけを信じて医師の道を選ぶことがないよう、私が見ている医師の厳しい現実を書かせて頂いた。

「患者さんの病気を治せたら、素晴らしいことだと思う」「人の命を救いたい」と夢を描くのは悪いことではない。日本は医師不足だから、医師が増えることは大きな社会貢献になる。給料も高いから、食えなくなることはない。

だが、医師になると、今まで書いたような現実に一生向き合っていかなければならない。

最近の医学部生は就職を決める際、「こんな仕事が出来る医師になりたい」と考えるより、「こんな生活がしたい」という希望を優先させて、なるべく楽な科に進もうとする人が増えている。医学部に入り研修を受け、医師の過酷な現実が段々分かってきて、やはり生活の質(QOL)を優先させたいと思う医学生が増えているからだ。 比較的勤務が楽な科の医師が増えて、過酷な科の医師が減っているらしい。 現実を知る前に、後戻りできない進路を決めてしまうから、こうなる。

このことを踏まえて、特に医学部受験する前の高校生女性には、よく考えて欲しい。医学部に入ったら、もう抜け出せないのだから。

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