1997年に東京大学の加藤邦彦教授が「スポーツは健康に悪い」という衝撃的なタイトルで本を出版しました。
この先生は運動が専門ではなく、基礎動科学が専門です。
この本を要約してご紹介します。
代謝が多いほど寿命は短くなる
生物の寿命は体の大きさに比例していて、例えばハツカネズミなら3年半、犬猫は10年~20年、人間は80年、象・クジラは100年くらいです。
そしてこの寿命をさらに縮める原因になるのが代謝効率の量に関係していて、たくさん運動して代謝を活発にした動物ほど短命になるというデータが出ている。
実際にいろんな動物で実験してみた結果、狭い空間よりも広い空間で飼ったハエは早死にしている。また、運動習慣付けたラットも早死にする傾向が多くなることも分かっています。
つまり、「理論的にはスポーツをして代謝を活発にするほど寿命は早く尽きてしまいますよ」ということらしい。
文系・理系・体育会系で寿命が6年も変わる
では実際に人間の寿命はどうなのか。
これも面白いデータがあって、1872年から8年間、文系・理系・体育会系で平均寿命の調査を大々的に行った結果、
- 文系の人間の寿命・・・66.8才
- 理系の人間の寿命・・・66.1才
- 体育会系の人間の寿命・・・60.6才
体育会系は文系・理系の人間よりも6歳寿命が短いというデータが出ています。
ついでに言うと肥満も当然健康に悪い
肥満も当然健康に悪いですよ。
例えば力士の平均寿命は63.6才で、日本人男性の平均寿命78才よりかなり短命。
肥満の上に激しい運動は代謝を多くし、内臓脂肪過多による内臓機能障害などが多くなるため、短命になりやすいそうです。
健康の秘訣はスポーツをしないこと
つまりスポーツなどの激しい運動は、寿命を縮める可能性が高いということです。
じゃぁどうすることが健康に良いか?
100歳を超える長寿の方の多くの人の生活を見ると、激しい運動はせず、生活の中でマメに体を動かし、飽食せず腹八分目、ストレスを溜めずに規則正しい生活をしている傾向が多いそうです。
つまり盛岡さんさ踊りも健康に悪い
ということで、盛岡さんさ踊りも実は体の健康には悪いということになります。
太鼓を持たない踊り手でもしゃがむ並に腰を落として上げての上下運動が多いし、さらに5~6kgの太鼓を担いでこの動作をしている激しい運動が体に良いはずが無いですよね。
盛岡さんさ踊り、心の健康には良いんですけどね。
あまりに夢中になりすぎるのは代謝を活発化させるため、健康に悪く寿命を縮めてしまうようです。
とはいえ、寿命が縮まると分かっててもやりますけど!