中学3年のまなぶに車を買い与えたところ、3か月で別人のようになり、学校の成績も変わってしまった。そんな状況でどうして良いのか分からない母・ゆきこ。
そこに、父・たかしが単身赴任を終えて家に帰ってきた。
※このエントリーでは、「車=スマートフォン」、「自転車=ガラケー」と思ってお読みください。
ただいまー。単身赴任終わったよ。
あなた!まなぶが大変なの!
! どうしたんだ?
車を買ってあげたら、3か月でおかしくなってしまって、成績も下がってしまって・・・。
なるほど。それは大変だったな。3か月か。危険な状態だ。
中毒にかかってきているな。もしかしたら、もうかかっているかもしれない。
えっ?ただの車なのに、中毒になっちゃうの?
対象が車などの機械とはいえ、利用方法を間違うと、お酒同様に中毒になるんだよ。脳や体が快感を伴うものは、何でも中毒にかかってしまう。
車を運転したことで脳が一度快感を覚えてしまうと、その快感をずっと求めようとしてしまうんだ。最近の中国の研究発表によると、「車中毒者の脳は、覚せい剤や麻薬中毒患者の脳と同じ状態になっている」そうだ。
ええっ!!ただの車なのに?!
ただの車・・・。そう思っている人が多いことが問題なんだ。車は運転を誤ったりすると、大事故に繋がることもある。日本は国による制限も全く無いから、今は無法地帯になっているんだ。
じゃぁどうすればいいのかしら・・。
親がしっかりするしかないんだよ。運転時間を制限することも必要だと思うけど、私達親が24時間ずっと見張ることはできない。
だから、子供が心で理解して運転を制御できるように、私たちが正しい運転方法を教えるしかない。
正しい運転方法・・・。私、自転車しか乗らないから分からないわ・・・。それに、そんなこと考えたことも無かった・・。
これからでも遅く無い。それには、夫婦でよく話し合って、どうすれば依存して中毒にならないようにするか、正しい使用方法を、まず私たちが学ばなければならないんだ。本当は、子供に車を買い与える前にするべきことだったんだろうね。
私、なんにも考えずに買い与えちゃった・・・。
大丈夫だ。でも、この問題を解決するためには、夫婦の仲が良いことも大事になる。
夫婦仲が・・・?
そう。私たちが仲良くないと、ストレスの矛先は自然と子供に影響することがある。そうなると、子供は自分を否定的に考えるようになったり、家庭での居場所を確保できなくなる。
そんな親が「止めなさい!」とか「勉強しなさい!」とうるさく子供に言ったところで、子供が心から理解しようと耳を傾けてくれるわけがない。
・・・。
私が単身赴任で家にいないことも良くなかったのかもしれない。私たちの気付かないところで、子供には寂しい思いもさせていたかもしれない。そしてそこに車を買い与えてしまったら、それが心の隙間を埋めてくれた。気持ちが安心できる快感を覚えてしまった。
まなぶはその安心感を常に味わいたくて、ずっと車を運転したくなってしまっている状態なんだ。
中毒なのね・・・。
そう。だから車は、正しい運転方法をしっかり理解させることが大事なんだ。
同時に、安心感を与えるために子供に居場所を作ってあげること、子供が他に楽しいと感じられるような世界を、他にもたくさん見せてあげることが、私たち親の務めなんだよ。
そして、「車を持つことは沢山のリスクがあること」「運転方法を間違わなければ、素晴らしい道具になること」と認識するこが、解決への第一歩になるんだ。
そして、私たちはどうすることが自分の子供や後世にとって良いことなのかを、もっと真剣に考える必要があるんだよ。
そのためには、まず私たちがしっかりしなければいけないんだ。