「こんな会社に最適化しても外に出てしまえば役に立たない。時代とお客様のニーズに最適化できる人間になれ」

「会社に最適化したら、会社内では生きていける。でもそれだけだ。他では通用しない」

「会社に流されることは楽だ。自分の意志で生きていきたいなら、辛いけど流されるな」



私が8年間お世話になった上司(Nさん)がよく言っていた言葉です。恐ろしく厳しい上司で、就いていた間はずっと仕事に行くのが嫌でしたが、今ではこの人が上司で良かったと思っています。

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年功序列が根強い会社は、会社への最適化を求める

私の会社は「いかに会社に貢献しているか」で評価をします。それが売り上げで判断されるなら納得がいきますが、売り上げ以外での評価される部分が大きいのです。

特に年功序列が根強い会社のせいか、イエスマンタイプが重宝されるんですね。だから上層部は「社内営業は大事だ」「年上を敬え」という感じの事をよく言っていましたが、私は「くそっくらえ」と思っていました。

なぜなら、上層部が作ろうとしている社内風土はどう考えても「会社に最適化」させる為のものでしかないと感じていたからです。10年後どうなっているか分からない会社に、自分を押し殺して最適化したところで、会社が無くなってしまったら無意味じゃないですか。これから個性が大きく評価される時代になった場合は、会社に流されて最適化することに慣れてた人は苦しいですよ。

さらに会社に最適化させることを求める年功序列会社だと、上層部が「お客様は白いカラスが欲しいはずだ」と言えば、周囲も「分かりました。白いカラスを探しますね」とあっさり右ならえしてしまう。誰も上層部に「違います。白いカラスはいなくて、みんな黒いカラスを求めていますよ」と言えない。こういう環境だと、会社が市場や顧客ニーズから外れた方向に進んでしまいやすい。

仕事は常に「相手ありき」です。会社の為に仕事をするんじゃなく、会社という媒体を使って、今の時代のお客様と自分の為に仕事をするのです。白いカラスなんているわけないじゃないですか。でも年功序列会社だと、白いカラスが存在してしまうのです。

会社は営利、年功序列の悪習慣

会社と働き手との関係は、お互いの利害関係が一致しているだけだと思っています。会社はあくまで営利で動いています。会社が危機に陥ったら、人件費削減でリストラしますよね。自分の面倒を見てくれることはありません。

さらに年功序列が根強く残っている会社だと、能力が低い人間でも役職が付きます。そういう人の下で長く働いていたら、自分がダメになってしまいます。

だから、あくまで会社には流されないスタンスで、逆に自分が会社をリストラできるくらいになる必要があると思っています。

とはいえ「この会社が好き」という人もいますが、それは給料を出してくれる事を前提としているのであって、給料が減れば「好き」な気持ちも薄らいでいくわけで。私はそれが”生きている人間”だと思っています。

結果的には上司のおかげ

私がこういう考えになったのは、N上司との8年間があったからだと思っています。おかげで売上をアップさせるスキルは長けましたが、会社内では異端児的な存在になっていました。特にここ3年は居心地悪くて辛かったです。

イエスマン集団の中で飲むお酒は全然美味しくありませんでしたが、年功序列会社の中でも「個」は保てたし、売上も高いおかげで好き勝手にやらせて頂けたことは、N上司の指導に感謝しています。

結果この会社を辞められる事になり、自分の好きな仕事を自由にしていけるようになったことが、会社に最適化しないで一番良かったと事だと思っています。

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ちなみに怖くて厳しいN上司は、見た目も迫力も、スラムダンクの安西先生にそっくりなんです。

安西先生【出典】スラムダンク

ほんと、まさにコレ。

毎日が怒鳴り声と威圧な日々です。おかげで少し根性は付いたのかなと思います。今はもう退職されていますが、先日、退職届けを出したご報告の電話をしたら、こう言われました。

「おめでとう!やっとか!」



怖くて厳し過ぎるゆえに孤独でしたけど、とても恥ずかしがりやで愛がある人なんですよ。憎まれ役を買って出るタイプ。今の20代にこういう指導したら、きっとすぐに辞めちゃうんでしょうね。

どんな上司に出会ったかで人生は変わります。