知人から「サラリーマンこそ自分株式会社をつくりなさい」(著:吉川英一)を頂いたので、早速読ませて頂きました。
著者の方はサラリーマン時代に副業で不動産ビジネスを始めて、48歳で退職、独立起業した人です。
ストック型ビジネスで成功させる
バブル期以降の日本は、一人当たりの業務量が増えて給料が変わらない状況が続くことに不安を感じ、「子供にもお金がかかるしこの状況が嫌だ」と奮起して最初はアパート経営を始められたそうです。
アパート経営はストック型ビジネスの一つで、自分で構築した資産を利用してお金が入る仕組みを作るビジネスです。
一人でビジネスをしていく場合は、このストック型ビジネスが向いています。
ストック型ビジネスと対照的なフロー型ビジネスだと、その都度仕事を請け負う形のビジネスで、自分のスキルを持って時間を切り売りするビジネスです。
フロー型ビジネスだと、余程の特殊スキルが無い限り高い収入を得ることができませんし、単発の仕事がメインになるため継続収入の獲得が難しいですしね。
ストック型ビジネスであれば、既に存在するシステムやサービスを誰かが利用してお金を払ってくれるので、ある程度の自動化が出来ます。
やり方によっては、一人で年数千万円稼ぐことも可能です。
自分株式会社で社長をするメリット
著者の吉川さんが著書で言っているポイントは「これからの日本は個人には増税されて法人は減税されるから、自分専用の株式会社を作って企業した方がお得ですよ」ということです。
どういうことかというと、サラリーマンの場合は会社の経理が税金を徴収してくれるシステムで個人では手間がかからず楽なんですが、政府が「増税」と決めてしまえば給料から一方的にお金を引かれてしまいます。
ところがもし自分起業した株式会社で社長として仕事をしていれば、自分に役員報酬を多く払って法人税をゼロにまで落とし、さらに自分の給与から給与所得控除と必要経費も控除もしてしまう「控除の二重取り」が出来て節税出来ますよ、というものです。
サラリーマンのスーツや新聞代は経費になりませんよね
もっと分かりやすく言うと、普通のサラリーマンの場合は貰った給料からスーツ、新聞、スマホ代、家賃、光熱費を支払っていますよね。
これだと仮にサラリーマンの給与が総支給35万円だとしても、税金やスーツ代、光熱費などを差し引けば、実際に残るのは10万円ちょっとという計算になります。
ところが自分株式会社を設立すれば、スーツ、新聞、スマホ代、家賃、光熱費の半分~全てが会社の経費として落とせます。
すると、自分株式会社から自分への給料を月の総支給35万円で設定した場合、ここから年金・住民税・所得税を引くだけで良いので、実際に残るお金は25万円以上にはなります。
まとめると、サラリーマンの年収500万円は生活費などを差し引けば実際は200万円ほどですが、自分株式会社で年収500万円の場合は生活費の一部も経費として落とせるので、実際の収入は350万円くらいになるということです。
普通の会社勤めのサラリーマンは給与から経費を支払っているのに対し、自分株式会社であれば給与から経費を支払う必要が無くなってお得になるのです。
ウチも自宅を仕事場にしているので家賃・光熱費・通信費の半分は経費にしているし、購入する書籍年間50万円ほどは全て仕事に関連するものになるので、これも経費に出来ます。
見た目の年収は少なくなりますが、実質の年収は大きくなるのです。
これまでの洗脳を解くことから始める
この本では、「会社勤めをして、周囲と無理に同調して嫌な事も我慢して頑張っていれば幸せになれるという洗脳を解いた方が良い」と書いています。
確かに考えると、大学を卒業して就職・・・っていう一般的な流れは誰が決めたんでしょうね。
ウチの親も子供の頃から「公務員になれ」と言ってたし、周囲もみんな就職就職就職・・・。どこかの会社に入って就職することが当たり前になっている世の中です。
ですがこういう流れになったのは近代のことで、戦後すぐの頃は、そもそも就職できる会社が無かったから自分で商売を起こすことが当たり前の日本だったんですよ。
ちょっと前の中国や貧しい国も同様です。生活を任せられる会社が少ないから、「自分で商売をする」という考えが強いんですね。
まだまだ日本は恵まれているから「学校を卒業したら就職する」で通用しますが、あと20年先くらいを考えると、「学校を卒業したら起業する?就職する?」という選択が常識になる日本になっているかもしれません。
人間の考え方は時代の流れで変わるのです。
それを先読みして動ける人が、損をしない生き方が出来る人なんじゃないかなと思いました。