高畑勲監督「かぐや姫の物語」を観て来ました。
今回もネタバレ無しで感想を書きます。
竹取物語ではない
今回の映画の題名は「竹取物語」ではなく、「かぐや姫の物語」になっています。
映画を観る前からなぜだろう?と思っていたのですが、その理由は
「かぐや姫」の物語だったからです。(そのまんまですが)
竹取物語の原作では描かれていない、かぐや姫の細かい心理描写が映画中では描かれています。言い換えれば、「かぐや姫のドラマ」です。風景、唄、周囲の人々、色使い、表情、髪の毛の表現など、全て細かく心理状態を交えながら描かれています。
上映時間は2時間17分と長いですが、意外とあっという間に過ぎます。エンドロールが流れた時に「あれっ?もう終わり?」と思ったほどです。
ジブリ作品だけど大人向け
日本昔ばなしは、それぞれの物語にメッセージが強く含まれています。今回の映画を観ながら、「あ~、こういう内容だったなぁ」と思い出していました。それと同時に、日本昔ばなしは、いろんな教訓を含んでいたんだなぁと感じました。
もしかしたら、竹取物語に含まれた教訓を、大人思い出す為の映画なのでは?そして、かぐや姫や登場人物の心理を感じて、それらを子供に伝えさせる目的もあるのでは?
今回の映画を観る前までは、「竹取物語って、竹から生まれて、最終的には悲しみの中で月に帰っていくんだったよなぁ」という程度しか覚えてなかったのですが。
自分がこれから子供に竹取物語を聞かせるなら、「かぐや姫はこの時、どんな気持ちだったのかな?」「お爺さんはどういう思いだったのかな?」など、心理の問いを含ませます。この映画は、竹取物語を別の角度から見たり、深い部分まで考えさせられる作品です。
かぐや姫の物語を観る前に、予め竹取物語の原作を読んでおくと、映画中に深い部分まで考えながら作品を楽しめるかもしれません。原作を読まないまっさらな状態で観ても十分楽しめます。
ちなみに映画の文庫版も10月に発売されています。
映画中ではカットされたラストシーンがあるそうですので、買って読んでみることにします。
感想は後日。