ネットゲームにハマっている子供にお悩みのお母さんお父さん、紳士淑女、旦那さん奥さん、こんにちは。元ネットゲーム廃人のマナです。
スマートフォンの台頭でネットゲームがより身近になったことで、ネットゲーム中毒・非登校・課金トラブル、離婚、家庭崩壊などが年々増加しているわけですが。
ネットゲームをしない人からすれば「なんでこんな下らんものに時間を費やすんだ!」とか「働いたお金をなぜこんなものに使うんだ!」なんてお思いでしょう。
とくにお母さんや女性の場合、ネットゲームにハマる人を見てて「???」と、その人の心が理解不能に陥っているんじゃないでしょうか。
ということで、今日はそんな疑問にお答えするべく「なぜネットゲームにハマるのか」を自分の経験から考察を書いておきます。
ネットゲームを理解するために
ネットゲームは「ゲーム」じゃない
お父さんお母さんから見ればネットゲームは「ゲーム」としか見えないと思いますが、ネットゲームは「ゲームじゃない」ことを理解しましょう。
ゲームじゃないなら何か?と言えば、ネットゲームは画面とネット回線を利用した「現実ではない第二の世界」です。それを利用している間は、子供の心は現実世界には存在しません。地球じゃない別世界にいると思ってください。
そして第二の世界の虜になってしまえば、現実世界で生活しながらも第二の世界のことばかり考えてしまうようになります。これがネットゲーム中毒。
なぜこのようになってしまうのでしょう?
承認欲求が満たされるから
人は誰しも「見て欲しい」「認められたい」という承認欲求があります。昔はネットなんてありませんでしたから、承認欲求を得るには「高いモノを買ったとき」でした。車とか家とか良い例ですね。とりあえず高いモノを買って他人に認知されれば「すごい!」「羨ましい!」と言ってもらえて、承認欲求が満たされていました。
他にはキャバクラに行くオヤジが女の子に自慢話をして「すごーーい」などと褒めてもらうことも、承認欲求を満たす場ですね。
ですが時代が変わり、今はいろんなモノで溢れている時代です。「あれ持ってるんだって、凄い!」という風にはならなくなってきました。そして、モノ以外での認められ方が主流になってきたんですね。その場所の一つがネットゲームになっているのです。
フェイスブックも似たようなもんですね。「いいね!」貰うと嬉しいですよね。人はなぜフェイスブックに投稿するかって、誰かに自分の存在を認めて欲しい、自分のやった事、考えを共感して欲しい気持ちから来ているのです。SNS全般的に同様です。
ですが、ネットゲーム(第二の世界)では、フェイスブックなどのSNSよりも他人と繋がりが深くなりやすく、承認欲求が満たされやすい場所なのです。
なぜでしょうか。
ネットゲーム世界では現実よりチームワークが楽
ネットゲーム(第二の世界)でも、現実世界と同様チームワークが重視された世界です。例えば、強い敵を倒しに行くために、ネット回線を通じて知り合った仲間と一緒に協力して冒険に出かけます。
誰かと一つの目標に向かって達成するのって、ワクワクするし楽しいし、達成できたら快感なんですよね。
現実世界でもチームワークが重視される場は、サークル・イベント運営などいろいろあります。でも、現実でやるとすごく大変です。上手くいかないリスクもあったり、人間関係も大変だったりと、楽しいことばかりではありません。これはオーケストラの立ち上げで痛感しました。
ですがネットゲームの場合、大したリスクも無い、コミュニケーションは文字だけだから楽、旅の準備は机に座っていながらキーボードとマウス、コントローラーさえあれば出来るから楽なのです。チームワークを組むことが現実より楽なのです。しかも、現実より簡単に目標を達成しやすい。時間とお金さえかければ、誰でもできる世界です。現実より遥かに楽な世界です。
そしてネットを通じていながらも、他人に頼られたり、他人に親切にして「ありがとう」と言われたりします。そして「もっと自分のレベルを上げたい」「もっと強くなりたい」「もっと誰かの役に立てるキャラになりたい」と思うようになって、どんどんネットゲーム(第二の世界)にやり甲斐を感じて、のめり込んでいくのです。
「モノ」での承認欲求も存在する
さらにネットゲーム(第二の世界)では、昔の現実世界のように「モノ」も持つことでも承認欲求を満たしてくれるのです。
第二の世界では強い武器、強い防具、強いアイテムなどの「モノ」を持つことで、他人から羨ましがられ、他人に役立てるキャラクターになれるのです。
私もネトゲ廃人だった頃は、結構すごいアイテムを持っていました。周囲から「凄い!!」「一緒にパーティ組んでください!」「ウチのグループに入りませんか?」とか言われると、そりゃぁもう快感です。自分が価値あるように他人から思われるんですから。
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このように、ネットゲーム(第二の世界)では、時間とお金さえかければ「価値のある人間」になっていくように錯覚するのです。
しかも、現実世界よりも楽に目標を達成できます。第二の世界には、うるさい親、嫌な会社の上司など、自分にストレスを与える人間はいません。自分の存在価値を認めてくれる人が沢山います。プレイヤーにとってはこんな気持ち良くて楽しい世界はありません。
こうして、ネットゲームにハマっていくのです。
酷い人になると、「早くネットゲームの世界に帰りたい」とか言う人いますからね。自分もまさにそんな感じだったわけですが、現実世界で寂しい、何事も上手くいかない、などの思いをしている人ほど、ネットゲームにハマりやすいと思います。
特に男性の場合は競争心が強く「アイツよりも上に立ちたい、目立ちたい」という心理も加わるため、女性よりもネットゲームにハマりやすいと思います。
でもね・・・
ネットゲーム(第二の世界)は確かに楽しいですよ。
でもね、ネットゲームにいくらお金と時間をかけたところで、自分は成長しないのです。成長して価値が出るのはゲーム内のキャラクターであって、自分自身ではないのです。むしろ現実世界での価値はどんどん低くなっていくだけです。
ネットゲーム中毒から抜け出すには、この事を認識するところから始めると良いですよ。
わたしは廃人から抜け出した今となっては、こっち(現実世界)の方が楽しくって仕方ないです。ネットゲーム廃人になったから、今の自分があります。
だから決して悪いことだけではない。そこから抜け出して立ち直ることが大事だと思います。