世の中には”催事ビジネス”や”お祭りビジネス”というものがある。
在庫をまとめ買いして、キャンペーンやメディア操作で人々の「欲しい」を極限に煽って、蒸発的に一気に売るという方法である。とあるセレクトショップなんかはこの手法で1日数千万も売った実績があります。
そこでわたくし、一晩寝ながら閃きました。「あ~、これ、盛岡さんさ踊りでも使えるじゃん」ってね。
仙台青葉祭りでは既にやっている
わたくし、去年の青葉祭りに行ったときに「仙台青葉祭り」と書かれたカワイイ手ぬぐいを頂きました。さんさ好み全員、その手ぬぐいを帯に括り付けて青葉祭りステージでさんさ踊りを披露しまして、その記念手ぬぐいは今でも大切に保管しています。貴重な思い出が詰まってる手ぬぐいだもんね。
で、これがどのように売られているのか調べると、青葉祭りでは毎年デザインを変えて500円で販売しているようだ。
↑こんな感じで、公式ホームページでも宣伝している。今年もさんさ好みは仙台青葉祭りに参加させて頂いたのだが、青葉祭り実行委員会さんから頂いた写真を見ると、メンバーはやはり同じように記念手ぬぐいを帯に括り付けている。
ほら。
この手ぬぐいを付けた側の気持ちとしては「私たちも青葉祭りに参加している」という一体感を味わうことが出来る。そのうえ、その一体感の思い出はこの手ぬぐいに保存される。知らない人からすればただの手ぬぐいだと思うだろうが、青葉祭りに行った人にとっては”思い出が詰まった大切な手ぬぐい”になる。
この時点で既に話の先が見えた人もいるかと思いますが、盛岡さんさ踊りでもこういった記念手ぬぐいを毎年作って販売すれば、結構な売り上げが立つビジネスになると思いますよ。
自己満グッズは売れない
一応、盛岡さんさ踊りの公式ホームページでそういった手ぬぐいが売っているのかしらべたところ、
・・・あった。
けどはっきり言わせていただくが、これじゃぁろくに売れまい。
まず手ぬぐい中央に大きく入れた「盛岡さんさ踊り実行委員会」の文字は必要あるまい。お土産用として売っているならなおさら必要ない。買う側としては、”盛岡さんさ踊りでの思い出グッズ”が欲しいのであって、思い出に関係ないものは必要ないわけ。
手ぬぐい中央に「盛岡さんさ踊り実行委員会」の文字が入っていることで、このグッズは台無しだ。このロゴ、お土産買う人にとっては必要無いでしょ。「あ、これ良さそう」と思って手に取ったTシャツが、よく見たら余計なワンポイントロゴが入って買うのを止めた経験がある人がいると思うけど、それに似ている。
おそらく製作依頼した方たちが自己満で「私らが作ったんだ」という顕示欲から入れてしまったんじゃないかと思われる。
お土産用として売るのであれば、「買い手がお土産として欲しいもの」を作る必要が絶対条件。こだわりは入れても良いけれど、製作者の自己満を介入させる必要は全く無い。お役所仕事ではこういうことがしばしば見られる。ユーザー目線やユーザー思考から離れたとこで仕事してるから仕方ないとは思うんだが。
ということでビジネスチャンス
ということで、ここにちょっとしたビジネスチャンスがあると思います。
さんさ踊り実行委員会が「毎年デザインを変えて記念手ぬぐいを販売することになりました。これを身につけて、盛岡を一つに!」などと銘打てばそこそこ売れると思います。しかも顧客リストである各さんさ団体リストは既に持っているわけで、団体の代表を通じて宣伝すればパレード参加者のほとんどが購入すると思われます。
さらにパレードを見に来た観光客が「みんな身に着けている、あの手ぬぐいが欲しい!」となるわけで。観光客の多くは自分の思い出を保管するグッズを求めているものです。パレード参加者が手ぬぐいの広告塔になってくれるので、大きな宣伝などしなくても簡単に売れていきますよ。しかもデザインを変えれば、翌年度からは毎年自動的に売れる。
観光客、参加者、実行委員会、製造側みんなにとってメリットがあるこのアイデア、我ながら結構いけるんじゃないかと思います。盛岡さんさ踊りパレードの動員数は約120万人。これは青葉祭りの動員数よりも上です。
初年度は様子見で少し販売してみて、好調だったら次年度から生産を増やせばOK。軌道に乗って動員数の20%の人が1枚500円で購入したとすれば、1シーズンで1億円くらいの仕事になるかもしれません。10%の購入率でも5000万の仕事。利益率10%としても500万の純利益。美味しい仕事だ。
ちなみにうちの会社に実行委員会さんから協賛寄付依頼が来ますが、即お断りしてます。何もメリット無いし。景気の悪い日本では、こういう会社が増えているのではないでしょうか。ですが、記念手ぬぐいが上手く売れれば、パレードの為に寄付してくれてる企業さんに負担かけなくて済みますよ。黒字化すれば他県への広告費も捻出できます。
アパレル製造やっている人は、この企画を持ってさんさ踊り実行委員会に提案に行ってはいかがでしょうか。私はやる気無いので、早い者勝ちです。