先日のエントリー「不自由だと思っていたけど本当は自由だった~堀江貴文さんの「ゼロ」を読んで~」では「希望通りの就職ではなかったけど」と書いたんですが、僕の本当の希望はディズニーランド(オリエンタルランド)への就職でした。
試験はあっさり落ちたんですが、就職試験の内容がとにかく凄かったので今でもハッキリ覚えています。
14年前のことなので内容は変わっていると思うが、これからディズニーへの就職を考える人にとって少しでも参考になれば幸いだ。
頭から煙が出るほど悩んだエントリーシート
ディズニーランド(オリエンタルランド)の就職は基本は新卒採用になる。
就職試験の基本的な流れは5つのステップになっていて、これは現在でも大きな変更は無いようだ。
- エントリーシートによる書類選考
- 筆記試験、性格診断テスト
- 1次面接(グループディスカッション)
- 2次面接
- 3次面接
第一ステップのエントリーシートだが、これがかなり難しい。
僕が書いたものはB4用紙サイズのもので、書く項目が10個以上はあった。厄介なのは、それぞれの項目は全て関連付けた質問になっていることだ。
- あなたが今まで身に付けてきた能力はなんですか?↓
- その能力を身に付ける為に、今までどんな努力をしてきましたか?↓
- その努力をするために、どんなことを意識していましたか?↓
- それらで得たあなたの能力は、ディズニーランドでどう役立ちますか?↓
- より役立たせるために、あなたはどのようにしていきますか?↓
- まだまだ続く・・・↓
こんな感じで全ての項目が関連付けされたものだった。
今の僕ならスラスラ書く自信があるが、人生経験も足りない大学生の若造の僕にとって、このエントリーシート作成は頭から煙が出る程悩んだのを覚えている。
この書類選考で落ちたら、それで夢は終わりだからだ。
この手の方式をクリアするポイントは、スタート地点とゴール地点を最初に明確にさせておくことだ。最初と最後がハッキリすれば、途中で内容が迷走しにくくなる。
写真を2種類用意しなければならない
エントリーシートで驚いたことがもう一つある。
「通常の写真」と「あなたの最高の笑顔の写真」の2枚を貼らなければいけないことだ。しかも写真には条件があり、「最新3か月以内の撮影のものに限る」とされている。子供時代の笑顔がいくら最高だからといって、エントリーシートに貼る事は許されないのだ。
僕は人生最高の笑顔を撮る為に、5個のインスタントカメラを犠牲にした。今はデジカメがあるから羨ましい限りだ。
恐るべし倍率
頭から煙を出して5個のカメラを犠牲にした甲斐あって、1次試験は無事に通過。次は筆記試験と性格診断テストだ。
オリエンタルランド本社に出向いて驚いたのは、そこにいたライバルの人数!
僕の時は班はA~Eの5班あり、僕はE班でその班には300人はいた。1班300人なら2次試験に来る人数は1500人。それに対し、採用人数は10名。
試験の待ち時間にライバル達と話したのだが、北海道から沖縄まで全国各地から集まっていた。中には有名大学在校生もゴロゴロいた。それを知った時点で「俺、もうダメかも」と思った。
理解不能過ぎな試験と、心の奥底まで完全に読まれそうな性格診断テスト
最初に筆記試験が行われたのだが、これが異常なくらい難しい。
統計学の汚いグラフがいくつか書いてあり、「このグラフから読み取れるものを全て書き出せ」という内容だった。それぞれのグラフは関連性があるのだが、項目や絵がわざと分かりにくく書いてあるので、僕に読み取れたものはゼロだった。完全に理解不能。
帰りの電車で一緒になった慶応大のライバルは「簡単だったよね」と言ってたのに対し、「お、おぅ、まぁね」と見栄を張ったのは苦い思い出です。
性格診断テストも普通じゃない
通常、多くの性格診断テストは「はい or いいえ」を選ぶだけのものが多い。だけど、ディズニーランドの性格診断テストはちょっと違う。
『次の4項目のうち、「はい」と思うものと「いいえ」と思うものをそれぞれチェックしてください』というものだ。
ちょっと分かりにくいと思うので、例を出しておきます。
【ディズニーランド就職試験・性格診断テスト例】
以下の4つの項目から、「はい」と思うものと「いいえ」と思うもの両方を選びなさい。
- ウソをついたことがある。
- ウソをついたことがない。
- ウソはつけない性格だ。
- ウソはついても良いと思う。
いやーー。どれも当てはまるものが無くても、必ず「はい」と「いいえ」を選ばなくてはならないこの苦悩が分かりますか?
「はい」と「いいえ」両方を選ばせることで、心の微妙な揺らぎをより正確に検出しようとしてるのでしょう。
「凄いテストだ」と思った反面、「怖いテストだ」とも思いました。こんな質問が50個以上はありました。試験終了後は、魂が完全に抜けたような状態でした。
落第、そしてこれから
ディズニーランドの就職試験についての体験談はここまでです。なぜなら、当然2次試験で落第しましたので。
仮に2次試験が通っても、残り3つの面接をパスしていくのは多分無理だったでしょう。
就職試験を受けてわかったことは、ディズニーランドの正社員は、超難関を潜り抜けてきたエリート揃いだということです。
ディズニーランドでに就職したいのであれば、生半可な気持ちや中途半端な知識やスキルでは合格出来ないということですね。
ただ、落第して数年経過して思ったのは、「ディズニーの就職試験落ちて良かったな」ということです。
僕はディズニーランドが好きなんだけど、そこで遊ぶことが好きだったんです。就職してたら「仕事場」としか見れなくなってしまいそうな気がします。