遺伝子組み換え作物

日本のTPP加入により、食の安全が脅かされると言われています。その中心になっているのが、遺伝子組み換え作物です(GM作物とも表記されます)。

なぜ遺伝子組み換え作物で食の安全が脅かされるのか?その怖い実態と戦略が分かってきたので、簡単にまとめてみました。

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遺伝子組み換え作物とは

遺伝子組み換え作物とは、特定の病害や、特定の除草剤に耐性を持つように遺伝子操作された作物である。

例えば、年に2回散布すればOKな除草剤があります。大量消費・低コストが求められる世界市場では、この除草剤を使うことで農作物生産における手間とコストを省くことが出来ます。その代りこの除草剤は強力過ぎるので、普通の野菜も雑草も全部枯らしてしまいます。

そこで登場するのが、この強力な除草剤に耐えられる作物の種子。農家は強力な除草剤を使う代わりに、除草剤耐性遺伝子を持つ作物の種子をセットで購入することになります。

遺伝子組み換え作物無しではいられない状況に

大量消費・低コストが求められる社会で、遺伝子組み換え作物がどんどん受け入れられていきました。今やアメリカの7~8割の農作物は遺伝子組み換え作物です。

ここまで遺伝子組み換え作物が浸透してしまうと、農家も一般市民も遺伝子組み換え作物無しではいられなくなります。それはなぜか?もし遺伝子組み換え作物が使えなくなった場合どうなるでしょう?

野菜の物価が高騰

農作物を作るのに多くの手間がかかります。当然、野菜の値段は高騰します。

食用油等の値段も高騰

遺伝子組み換え作物から精製されている製品も高騰します。サラダ油、マヨネーズ、マーガリン等が対象です。

加工食品物価も高騰

油を使う加工食品も高騰します。冷凍食品、フライドポテト、その他多くの料理が対象です。

動物飼料の高騰・ミルクや肉も高騰

動物のエサである、とうもろこし、じゃがいもも高騰します。卵や牛乳、肉も高騰します。


こんな具合に、食物の値段が高騰します。収入の少ない人にとっては大打撃です。仮に遺伝子組み換え作物を使わない食品を販売したとしても、値段が高すぎるので収入の高い人しか購入することしか出来ません。

現在のアメリカの食生活・食費は、遺伝子組み換え作物によって成り立っています。

日本を含めた他60か国でも、遺伝子組み換え作物は既に使われています。既に私達の生活の一部分にもなっています。

遺伝子組み換え作物種子の購入契約

遺伝子組み換え作物の種子を買う場合、制限つきの購入契約を結ぶ必要があります。

収穫した遺伝子組み換え作物から得た種子は、次の年は使用してはならないというものです。よって、農家は毎年種子を買わなくてはいけません。

もし内緒で種子を植えてしまった場合は、企業から裁判を迫られます。多くの場合は強引な示談で済まされているようです。なぜなら、大企業vs一農家です。裁判で戦おうにも体力が違い過ぎる為、結果的には強引な示談になります。

企業が農家を掌握していく

この契約によって、GM作物販売企業が農家を掌握していきます。農家は従来の作物に戻したくても、市場状況が遺伝子組み換え作物に占められているので、遺伝子組み換え作物を作り続けるしかなくなるのです。

インドの綿花も、同じような流れで遺伝子組み換え作物が主流です。現在ではGM作物種子価格が以前の4倍に値上げされ、借金で毎日自殺者が後を絶たない状況です。従来の種子に代えたい生産者が多いのですが、従来種がほとんど市場に出回らない状況だそうです。

こうして、遺伝子組み換え作物企業は農家を掌握し、現在は世界60か国で活動する多国籍大企業へと成長しています。

遺伝子組み換え汚染

さらに問題となっているのが、遺伝子組み換え汚染です。

遺伝子組み換え作物の花粉が、従来種作物の雌しべに飛散して交配します。その結果、異様な植物や作物が生まれてきています。結果として、従来種がどんどん駆逐されていく状況になっています。

【GM種が従来種と交配した花。形態が異様である】
遺伝子組み換え汚染花

【GM種が従来種と交配したとうもろこし。通常は1つの穂しか出ない。】
遺伝子組み換え汚染とうもろこし

TPP参加で遺伝子組み換え作物が大量に輸入される

遺伝子組み換え作物が消費者に並ぶ
日本がTPPへ参加することで、食の安全基準が緩くなり関税も撤廃される為に、今後こうした安い遺伝子組み換え作物がより多く輸入されることになります。(既に現在、食用油等の原料として輸入しています)

この安い作物がスーパーに並べば、日本の農家は太刀打ち出来ません。場合によっては、遺伝子組み換え作物を作る農家が増加していくことも懸念されています。

遺伝子組み換え作物で有名な大手企業は、2012年既に日本法人を設立して活動しています。企業による日本農家の掌握と、遺伝子組み換え汚染の手はどんどん迫っています。

そもそも遺伝子組み換え作物が、人体に対して安全かどうかはまだ明確になっていません。今後数十年後に、何らかの影響が現れるのかもしれません。(異常を示すデータが既に出ています)

今日本では、遺伝子組み換え食品の表示義務があるので、消費者が選ぶことが出来ています。しかしアメリカでは表示義務はありません。TPPはアメリカ主導の制度であり、アメリカがアジアへの貿易額を5倍にする戦略も兼ねています。今後日本へ遺伝子組み換え作物表示制度を無くすように言ってくることは、簡単に予想出来ます。

そうなると、私達消費者は食の安全を選ぶことが出来なくなります。

さっこら~ちょいわやっせ・・・

日本のTPP参加理由も、大手企業の利益追求思惑が大きく絡んでいると言われていますよね。TPP推進した経団連のトップは全て大手企業の経営陣です。

この人たちが言う「グローバルな世界」っていう言葉を最近よく耳にしますが、これって大手企業が世界でさらに大きくなるんですが、国内部の平均給与の低下が起こって、貧困はさらに増加しちゃうんですよ。低所得層と高所得層のニ極化が、今後どんどん進んでいきます。

企業は「利益=お金」と考えますが、人間の幸福や環境を考えた場合「お金」だけ追求するのが利益なのかなと。今の日本のような社会主義もよく無いですが、資本主義も行き過ぎるとよく無いですね。

知足不辱、知止不殆、可以長久、
「足ることを知れば辱しめあらず、止まることを知れば殆うからず。以て長久なる可し。」(老子 下編 第四十四章)

欲望を追求しすぎると、凶器に変わるってことです。