ランチパスポートの効果

盛岡でも出てます、ランチパスポート。
で、はっきり言います。私はこのパスポートが嫌いだ。

なぜなら、

自分のお気に入りの店が混んでて入れない!

から。

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ランチパスポートの効果

このランチパスポート、「飲食店のみんな!お金出し合って集客本を出しましょうよ」という意図だと思うが、私が気になっているのは「良い効果が出ているのか?」だ。

ランチパスポートを見ると、どう考えても赤字だろうと思う豪華メニューを500円で提供している。客側からすれば美味しい思いが出来るが、飲食店側はボランティアでやっているんじゃない。新規顧客とリピーターを掴んで儲けたいから、ランチパスポートに掲載するのである。

しかし、既に常連客がたくさん付いているような飲食店には、安いランチをパスポートに掲載したところで逆効果だ。

なぜなら、先にも書いた通り、店が込み合うから常連客が入れなくなる。入れなかった常連客は他の店に行って、別のお気に入り店を見つけることもある。そうなると、その客には新たなランチの選択肢が生まれ、元お気に入りだった店に行く可能性は減ってしまう。結果、常連客を失い、店にとってはマイナスになる。

次に、ランチパスポートを使って500円でランチを食べに来る大半の人は、「安いから」という理由で来る。「安さ」だけで来た客は価格が元に戻れば当然来なくなる。その間は利益率が相当低いか赤字。「今回安く食べられたけど、この美味しさなら通常の値段でも食べたい」という人はそれほど多くはない。いたとしても、離れて行った常連客をカバーできるくらいだと思う。

常連客を止めた人は実際にいます。その一人は私です。食べに行きたいのに、ランチパスポートで込み合っているのが分かっているので、行かなくなりました。心当たりがあるお店さん、後でランチパスポートの実際の効果を教えてください。

ランチパスポートで成功するお店

ランチパスポートのように「安さ」を売りにした集客で成功するお店のケースは、既にある程度のパターンがあるのでご紹介しておく。

  • 回転が速い店
  • 立地が悪くて見つけにくいお店
  • 新規オープンのお店
  • 利益率の高いサイドメニューが多いお店

と、こんな条件に当てはまるお店です。逆を言えば、回転が悪くて、常連客が既にある程度付いていて、1品食べればお腹いっぱいになるメニューが売りのお店は、「安さ」で集客すると大した効果を得られないか失敗に終わる可能性が高いです。

実験してみたいアイデア

とはいえ、既にある程度の常連客が付いていても「もっと新規顧客を掴みたい」と思っているお店は多いでしょう。顧客単価を下げた集客方法は儲かる見込みが薄いし、長い目で考えると効果が薄い。

ならば思い切って、「安いランチ」ではなく「限定10食くらいで、高くて豪華で目を引くようなランチ」を掲載してみてはいかがでしょうか。私が飲食店経営者なら、この路線で実験してみます。

これだと顧客単価を下げる事もなく、高いお金を出しても良い層を集客出来ます。その豪華ランチが美味くて気に入ってもらえれば、そのお店の味の信用度が増します。人間はお店で1品食べて美味しければ、「次はあのメニューも食べてみよう」となるし、元々高い値段で食べに来た人であれば、通常の値段でも食べに来てくれるはずです。

そして店もそれほど込み合うこともなく、常連客も今まで通り入店できるんじゃないのかな。このアイデア、ランチパスポート側が「500円メニューだけ」のスタンスだったら頓挫します。ですがそこは地方の飲食店活性化の為と思って、高いランチメニューを掲載したい飲食店さんが現れたら、出版社様はどうかご協力してあげてください。