退職まで残り1か月半。ここにきて面白い発見があった。
以前から「円満退社はありえない」といろいろな人から聞いてはいたが、どうやらこれは本当らしい。
退社する側とされる側の気持ちが違う
なぜ円満退社がありえないかを考えた。その理由は「退社する側と、される側の気持ちが全く異なるから」だろう。
まず退社する側である私の気持ちとしては、
「今まで頑張っては働いてたわけだし、ルーチン業務も引継ぎもしっかりやるんだから、気持ち良く送り出してくれりゃいいじゃん?」
と思っているんだが、辞められる側である社長や直属の上司からすれば、そういう事は全く思っていないらしい。全く別の考えと感情が働いている。
まず退職届を提出し、2回にわたる引き留め交渉を完全に蹴った後から社長や直属の上司の態度が急変。彼らは口には出さないが、私を見る目と態度には
「裏切り者め」
というオーラが猛烈に漂っているのを感じる。こりゃぁ円満退社なんか絶対にできそうにない・・・。
・・ははぁ、そうか。
彼らはこの会社を愛していて、「長く面倒をみてやって、共に頑張った仲間だと思ってたのに、家族のようなものだと思ってたのに、残ってくれと頼んだのに、それでもお前はここから出ていくのか!」とでも思っているんだろう。
つまり円満退社できないのは、退社する者への打算な愛情の裏返しなんだなと。
あえて「打算」と付け足したことがポイントで、これは打算な恋愛にも似たようなことがあるからだ。
好意を寄せている人に貢いでご機嫌をとって振り向かせようとする人がいる。ところが、頑張って貢いでも意中の人は振り向いてくれない。
「こんなにあなたにお金をかけて面倒をみて尽くしてあげてたのに、なぜあなたは他の女と付き合うの?!だいっきらい!!」
「え?それとこれとは別だよ」
というケース。お金をかけてプレゼントをして貢いで気を引こうとする恋愛の場合、相手に愛情の見返りを強く求めてしまう。ところが相手側はそんな気はなく、意外と別の事を考えていたりする。
もしこれが無償の愛だったら、「あなたがそう思うなら仕方ない」で終わるだろう。むしろ、「あなたが幸せになってくれるなら私も嬉しい」と思ってくれるんじゃないのかな。
会社を愛させるシステムでは円満退社はありえない
円満退社が出来ない理由も、この打算な愛のケースと同じような感情が働いているんだと思う。
日本の会社の多くは「給料を与えるかわりに会社を愛せ!」という打算な愛を求めているように思う。
会社を愛させることを求める打算的なシステムの中から自主的に外れようとしたら、その人が円満退社なんてできるわけがない。