自民党が改正選挙法の成立で、選挙権が18歳以上に引き下げられることを検討しているそうですが、それに伴って酒・たばこ・競馬・競輪も18歳以上からに引き下げる方向で考えているらしい。
自民党の成年年齢に関する特命委員会(委員長・今津寛元防衛副長官)は31日、改正公職選挙法の成立で選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられることを踏まえ、民法上の成人年齢を「18歳以上」に改め、飲酒、喫煙の解禁年齢も現行の「20歳」から「18歳」に引き下げるよう政府に求める方針を固めた。
少年法の適用年齢も「20歳未満」から「18歳未満」に引き下げ、国内の法制全体で「18歳以上を成人」と扱うことで統一を図る。近く特命委の会合で提言案をとりまとめ、菅義偉官房長官に提出する。
【引用】Yahooニュース,産経新聞
大多数の反応は、
- 「は?何を考えているんだ?」
- 「選挙権と健康・風紀は関係しないだろう」
- 「選挙権だけ18歳以上にするだけでいいじゃん」
- 「若者から税金を搾り取ろうっていうのか!」
- 「政府は健康を促進させたいんじゃなかったっけ?」
という批判意見が多いようですね。
中でも「高校生が酒とタバコのむっておかしいだろ」「税収そんなに増やしたいのか」の意見が特に多いようです。
っていうか、私は別に18歳以上からに引き下げても、大した問題も影響もないと思うんですよ。
「20歳から」の法律、どのくらい守ってるの?
「飲酒・喫煙は20歳から」と法律で定められていますが、これを守ってる人って実際どのくらいいるんでしょうね?
このニュースのシェアは今日の14時でもの凄い数になっていますが、ここで批判してる人達全員がどのくらい「20歳から」を守ったかを一人ずつ聞いてみたい。
いくら法律で縛っても隠れてやってる人は少なくないでしょうし、それに20歳未満の大学生1年生なんかはどれくらいこの法律を守ってるんでしょうね。
島根大学の河野美江先生・西村覚先生・荒川長巳先生が論文で、大学1年生における飲酒喫煙率データを出しておりました。
飲酒は約5割、喫煙は男性が6%です。
特に喫煙者数は圧倒的に少ないのですが、これは単純に「タバコを買うお金が無いこと」が主な理由です。
また、たばこの販売本数実績も年々減少していて、2000年は3245億本だったのに2014年では1793億本まで減っています。
【参考】たばこの税収推移をグラフ化してみる(2015年)(最新)
このような状況で、飲酒・喫煙を18歳以上からに引き下げたところで、状況は特に変わらないと思うんですよ。
なぜなら元々この法律はしっかり守っている人は少ないし、若者にはお金のかかるタバコを買う余裕が無いから。
批判してる人は高校生に酒・たばこを許容するのが嫌なんでしょ?
今回の法律改正を批判してる人が一番「ダメだろソレ」と思ってるのは、「高校生が堂々と飲酒・喫煙できるようになること」ではないでしょうか。
じゃぁ果たして今の高校生がどのくらい「飲酒・喫煙は20歳から」の法律を守っているんでしょうね。
一般社団法人・中央調査社が「中高生の飲酒・喫煙頻度推移」の調査を行っていたのでご紹介しますと、
【出典】青少年の喫煙と飲酒について
2008年とちょっと古いデータしかありませんでしたが、高校生になると6割ほどの飲酒経験があるようですね。
【出典】青少年の喫煙と飲酒について
喫煙経験は約20%ほどと少ないですね。まぁ、1箱400円以上と高いですからね。
このように、元々「20歳から」の法律を100%守ってる高校生もは多いとは言えないんです。
それが今回の法改正で18歳以上からに引き下げられたとして、満18歳になった高校生が「さー、酒飲むぞ!タバコ吸うぞ!」と一斉に声高らかに言うとは思えないんですよ。
それに、18歳以上から引き下げ法案が通ったとしても、おそらく高校の校則で「18歳になっても卒業までの飲酒・喫煙は禁止」とする学校が多くなるんじゃないでしょうか。
以上の理由から、酒・たばこを18歳以上からに引き下げたところで大した影響は無いと私は予想しています。
また、今は批判ばかりが目立ちますが、「大人として自立を早める為には良い案だ」「元々、酒・たばこの健康被害は年齢に関係なく自己責任。若者の責任を強めるという点では良いと思う」という賛成意見もあるようです。