お金のなる花

復興予算の流用が問題になっています。被災地、被災者には復興支援が行きわたっていない状況の中、震災復興に直接関係のない事業に多額の予算が流用されています。

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復興予算は5年間で少なくとも19兆円以上を計上しており、その内10.5兆円は復興増税(所得税や住民税)で賄われるものです。この増税は国民が「被災者の為になるのなら」と認めたものです。

しかし現状は多額の予算が被災地・被災者に関係しないと思われる事業に流用されています。

復興増税は25年間続く

まず復興増税をおさらいします。増税項目は以下の通りです。

  • 所得税(年2.1%増税)・・・25年間
  • 個人住民税(年額1,000円)・・・10年間
  • 法人税(4.5%減の予定が実質2.2%減に変更)・・3年間

国民増税スケジュール表

国民の負担額

年収500万の世帯だと、5年間で30万円強の負担増になります。

消費税が10%になると、これとは別に5年間で100万円以上の負担増です。

被災地・被災者に関係しないと思われる事業

  • 米国委託教育・・・20億円
  • 無人機操作訓練・偵察機システム費・・・1.5億円
  • 浴場・食厨建替え(別府・松本等)・・・10億円
  • 浄化槽・汚水管改修・・・(対馬・那覇)・・1.6億円
  • F15フライトシュミレーター・・・12.7憶円
  • 武器・弾薬・・・3億円
  • 国税庁耐震改修工事・・・5億円
  • 国立競技場復旧事業・・・3.3億円
  • 被災地ではない県の510件の工場支援・・2950億円
  • 沖縄国道整備・・・5億円
  • 鯨類捕獲調査安定化推進対策・・・22.8億円
  • ウミガメの保護観察ご当地アイドルイベント他・・1000億円

この他5000件近い震災復興とは無関係な事業が存在しています。

参考リンク:Naverまとめ

本来の目的を棚上げして予算獲得に走る

山積み申請書類

本来の目的に合致しない予算の流用は今回に限ったことではありません。私たちの身近にも存在しています。

「補正予算で〇〇関連予算が付いた」となれば、自分の関連事業や研究を無理やり予算執行目的に関連付けて予算申請しているのはどこの官公庁でも行われている現状です。

例えば国がiPS細胞推進研究特別予算を執行する方針を打ち出したとします。そうすると、研究者は「自分の行っている研究には殆ど関連しないけど、無理やりiPS細胞研究に関連付けてダメ元で申請しよう」となるわけです。

こういった予算申請手続きの多くは、知らされてから1か月以内等の短期間で行う事が多い上に申請者数も大量です。特別予算執行となると審査機関も「仮設」のようなものです。申請文章上ではどれもそれらしく見え審査数も多い為、審査側は本来の予算目的に関係ない事業に予算執行してしまうケースがあるのです。

今回の震災復興予算流用問題も同様の事が起きているようです。

まず復興予算申請に関わった省庁は11省です。

  • 総務省
  • 財務省
  • 経済産業省
  • 国土交通省
  • 農林水産省
  • 環境省
  • 厚生労働省
  • 文部科学省
  • 法務省
  • 外務省
  • 防衛省

復興予算流用の発端は、政府側が「震災復興以外にも使用できる予算枠」設けたことです。これにより、「震災復興」の範囲が大きく広がってしまいました。

そして、それぞれの省庁が自分の管轄事業の予算を確保しようとして、現場の末端に「予算申請をするように」と通達します。

これだけの省庁に係わる末端事業数の申請は万を超えるでしょう。結果として先ほどの例と同じ事が起きてしまい、本来の目的から外れた事業への流用が起こります。

審査機関が流用を防ぐカギ

復興予算流用を防ぐには、省庁から独立した専門性知識を備えた審査機関が必要と考えます。

仮に流用の原因に政界の何らかの「力」が働いているとしても、審査機関が独立機能していれば大丈夫です。

審査数が多いため、正確な審査を行うには多くの審査者が必要になり、人件費や調査費もかかります。しかし数千億円も関係ない事業に流用されるよりは、審査に係る人件費や調査費に数十億かけた方のコストパフォーマンスとメリットは大きいはずです。

現状では復興予算審査は各省庁の幹部の他、どこの誰が行っているか公表されていません。

審査手順や審査機関・機構の改善を願い、私達が負担する震災復興予算が被災地にダイレクトに役立てるようになることを願います。

【幸呼来】チョイワヤッセ!

いろんなものに縛られた世の中では、度々こういう問題が起こります。
今本当に必要とされているものは何か?を皆で考える事が必要です。