※このエントリーにネタバレは含まれておりません。
どーも、こんにちは。ノア~約束の舟~を観て参りました。
この映画、まさに宗教の世界ですね。曹洞宗の私にとっては「そういう価値観があるんだな~」という感想です。
ノアの箱舟
【出典】Pimp my blicks
最初にノアの箱舟についておさらいと、私の感想から。
神は地上に増えた人々が悪を行っているのを見て、これを洪水で滅ぼすと「神と共に歩んだ正しい人」であったノア(当時500~600歳)に告げ、ノアに箱舟の建設を命じた。
箱舟はゴフェルの木でつくられ、三階建てで内部に小部屋が多く設けられていた。箱舟の内と外は木のヤニで塗られた。ノアは箱舟を完成させると、家族とその妻子、すべての動物のつがいを箱舟に乗せた。洪水は40日40夜続き、地上に生きていたものを滅ぼしつくした。水は150日の間、地上で勢いを失わなかった。その後、箱舟はアララト山の上にとまった。
40日のあと、ノアは鴉を放ったが、とまるところがなく帰ってきた。さらに鳩を放したが、同じように戻ってきた。7日後、もう一度鳩を放すと、鳩はオリーブの葉をくわえて船に戻ってきた。さらに7日たって鳩を放すと、鳩はもう戻ってこなかった。
ノアは水が引いたことを知り、家族と動物たちと共に箱舟を出た。そこに祭壇を築いて、焼き尽くす献げ物を神に捧げた。神はこれに対して、ノアとその息子たちを祝福し、ノアとその息子たちと後の子孫たち、そして地上の全ての肉なるものに対し、全ての生きとし生ける物を絶滅させてしまうような大洪水は、決して起こさない事を契約した。神はその契約の証として、空に虹をかけた。
【引用】旧約聖書『創世記』
まずおもったのは、「旧約聖書もしょせんは人間が作ったものだな~」と。
獣や植物と比べると人間はエゴの塊。目的の為であれば善にも悪にもなる特殊で穢れた生き物です。世界を浄化するために起こした大洪水であるはずが、この物語はそんな”穢れた人間”を箱舟に乗せてしまうんですよねぇ。ここが大洪水を起こしたことと矛盾。なんだかんだ、結局は人間が頂点に立っているように描かれているように感じるのは私だけでしょうか。
とはいえ、善と悪両方を持つ生物だからこそ、こういう逸話を創り上げて「悪いことしちゃいけないよ」と教訓を与えて思考をコントロール出来るのも人間だけ。上手くコントロールできれば、地球で他の生物たちと共存出来るんでしょうね。ですが、今の人間は完全にコントロール出来ていません。私たちの生活は、資本主義の上に成り立っていますもんね。
「旧約聖書の通りなら、この地球に人間は必要ないじゃん。」
なんてことを思いながらこの映画を観ていました。
人間の存在を否定しつつも、人間が生きるべき道を考えさせる内容になっています。日本メディアの評価はあまり高くありませんが、アクションものかSFものとして期待して見た人が評価を下げているのでは?この映画はそういう単純な映画とは違います。世界破滅のSFものが好きであれば、家で「2012」を観ててください。
公開を制限された国
ちなみにこの映画、イスラム圏のバーレーン、イラン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、マレーシア、インドネシアでは公開が禁止されています。
このあたりの国は信者の信仰心の度合いが日本とは大きく違いますからね。この手の映画は信者を刺激することになると思うので、仕方ないでしょう。こういう点からも、この映画が単なるアクションやSFものの映画と違うことがお分かりいただけるんじゃないかと思います。
感想についてはこのくらいにして、キャストをご紹介。
キャスト
ハリーポッターのハーマイオニー役だったエマ・ワトソンが出演していました。ハリポタ以後はじめて見ましたが、良くも悪くもお変わりありません。最後に痺れるセリフがあります。
ラッセル・クロウ。相変わらずラッセルです。後半は怖いです。ラッセル、何気にサイコホラーの悪役にも向いているのでは?と思った役柄でした。でも最後まで良い味出してます。
妻役のジェニファーコネリー、役柄バッチリでしたな。後半部の演技が最高!印象深いですわ。
アンソニー・ホプキンス。相変わらずの安定感。パッとしない役柄でも、アンソニーが演じると魅力的になりますなぁ。存在感がハンパないです。
まとめ
ということで、旧約聖書の物語やキャストに興味ある方、続きは映画館でどうぞ。爽快感は感じませんが、1つの世界の物語を覗くというかんじです。
それにしても宗教によって世界観が全然違いますねぇ。仏教だったら大洪水の話なんか出てきません。考え方が全然違いますね。
ちなみに3D上映もしていますが、3Dで観る必要は全くないと思います。2Dで十分です。