将来の年金受取額
ここ1年ほど私の頭をよぎるものがある。それは、「28年後に”定年”は存在しているか?」ということである。

一般的に理解されている定年は、「定年=もう仕事をしない」ことであり、加えて「仕事をしなくても生きていける状態」のことだと思う。

しかしこの状態が成り立つ為には、年金で生活費が賄えるか、働かなくても生きていくのに十分な貯蓄がある場合だ。

私は今37歳。日本で定年とされている60歳~65歳までは23年~28年もある。その頃の日本の年金はどうなっているのだろう?

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現在の年金受取額

私が老人になる23~28年後の年金がどうなっているかを考える前に、現在の老人がどれくらいの年金を貰っているかをご紹介する。

2010年から厚生年金を受け取る男性のAさんがいる。生涯の平均年収400万円で、国民年金5年+厚生年金30年をかけていた。

Aさんの年金受取額は、月に7万円。年間84万円。もし20歳~60歳までの40年間、厚生年金をかけていたとしても、年間112万円。これに65歳から老齢基礎年金を満額もらえた場合、年に77万円がプラスされる

まとめると、60歳~65歳までは年間約100万円受け取れ、65歳以降は年間約180万円受け取れる。

妻が国民年金のみの場合、Aさんが老齢基礎年金を貰い始めた時に65歳未満であれば、加給年金が約40万円貰えるから、180万円+40万円=220万円(年間)。

夫婦共に65歳以上になれば、加給年金は無くなり妻が老齢基礎年金を貰えるようになると、250万円(年間)。

現代の65歳以降の日本人は、夫婦2人で年間約250万円前後の年金を貰っている。

年間250万円も年金が貰えれば、夫婦2人で節約していれば十分生きていける額だと思う。贅沢は出来ないと思うが、憲法第25条に書かれている「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」は守られていると言える。


ただし、これは今の65歳の年金状況である。

では私が60歳~65歳になる頃、年金はどうなっているのだろうか。

28年後の年金

現在の年金支給を支えている加入者数は約6800万人で、1.8人で1人を支えている状況だ。現在も受給者数は毎年3%ずつ増え続け、年金支払者は少子化の影響で毎年1%ずつ減り続けている。このペースでいくと・・・

年金受取額

今から13年後の平成39年には、年金の受給者数が年金の支払者数(加入者数)を上回ってしまう。老人1人を年金支払者1人が支える時代が到来。

そして私が60歳になるその10年後と、65歳になる15年後は、

年金の将来

平成49年には年金支払者1人で老人1.34人分を支え、平成54年には1人で老人1.5人分を支える必要が出てくる。こんなの無理に決まっているでしょ。

となると、限界値は「1人が1人を支える」ことに行き着くと思われる。もしくはそれ以下だ。つまり、現在の65歳が貰っている年金受取額の半分以下になるだろう。

これらのことを踏まえて予測すると、私が65歳になる28年後の夫婦2人あわせた年金の受取額は、良くても年間約120万円だろう。


恐らく120万円はまだ良いほうで、もしかしたら年間100万円を切るかもしれない。年金支払額だけだと社会保障費は絶対に足りないから、消費税も20%になっているだろうし、新たな税金も増えていると思われる。医療費も3割負担以上になっているかもしれない。これだと年金受給額は120万円でも、実質的な金額はもっと低い。年金だけじゃ絶対に生きていけない。

よって65歳の時点で5000万円~1億円ほどの貯金が無い限り、死ぬまで働き続けることになる。日本人の大半はそんな貯蓄は無理だろうから、定年は無くなる。労働力は不足していると予想出来るため、体さえ丈夫なら何歳でも働くことは出来る。しかし、老人にどんな仕事が残っているだろうか?その時、自分は何ができる人間になっているだろうか?

ということで30代のみなさん、今から頑張らないと将来は干からびます。予測が出来れば、これからの対策が出来ます。