私の知っているサイトのウェブデザインが、ほぼ丸ごとコピーされていることが発覚しました。結果的にはコピーした側がデザインを変更することで無事に解決したようです。
ここで私が疑問に思ったのは「ウェブデザインには著作権はあるのか?」ということです。ウェブデザインの場合は、写真・人物像やイラストとは違い、レイアウトやコードを用いたものだからです。
ネット上では明確な情報を見つけられなかったので、専門家に電話して聞いてみることにしました。
2団体に問い合わせた結果
ウェブデザインの著作権について何処に聞けばいいか分からなかったのでいろいろ聞きまわったところ、この手の問い合わせは著作権についての一般者電話窓口か、日本Webソリューションデザイン協会が詳しく教えてくれるという情報を入手。この2団体に同じ問い合わせをして得られた回答が以下です。
マナ:
ウェブデザインに著作権はあるのでしょうか?担当者:
ウェブデザインに著作権はあることにはあるのですが、よほどの独創性を持っていない限り著作権の保護は得られません。もし市販されている何らかのテンプレートを元にして制作されたウェブサイトであれば、デザインの著作権はほぼ無いものと思ってください。
マナ:
独創性の有る無しはどうやって判断するのでしょうか?担当者:
ここは判断が難しいのですが、裁判で判断して頂くしかありません。ただし、ウェブデザインの著作権侵害については今のところ判例がありません。ウェブデザインの大部分はレイアウトや配色で決まるものです。これらで制作されたものは創作物ではなく「手法」と定義されます。ですので、手法以外の部分で大きな独創性が認められない限り裁判で勝つことは難しいと思います。
マナ:
何か良い解決方法はありませんか?担当者:
弁護士を立てて調停申し立てをするか、当事者間で話し合って解決することが良いと思います。
なるほど。ウェブデザインの大部分は「手法」と定義されるうえに、相当な独創性をデザインに表現しない限り著作物と認めてもらうことは難しそうです。
だからといってデザインを丸パクリしていいかと考えたら、当然Noでしょう。
法で割り切れない領域
中国では世界中のサイトを丸パクリしている事例が多発しています。例えばこんな感じに、あのtwitterやYouTubeデザインをほぼ丸パクリ状態です。
「中国なら仕方ないか」と思う反面、日本でも同じようなことをする行為自体が恥だなぁと思うのです。
世の中には法では割り切れない領域があるのですが、私はその領域が「マナー」だと思っています。お互いがマナーを守り合うことでバランスが取れていることもあると感じています。
「日本人のマナーは世界一」とも他国からも言われています。同じ日本人として、丸パクリというマナーの悪さがあるのは悲しいことです。
社会的制裁も受ける
さらに「ネットの世界は広いようで狭い」と言われています。
現代はSNSが普及しているため、特に悪い話はあっという間に広がります。もしコピーしたデザイナーや制作者の身元が割れてしまった場合、その人はネットの世界で仕事をすることが難しくなる可能性もあります。
だからウェブデザインの丸パクリをするべきではありません。出来ることなら、これからはウェブデザインの場合でも明らかに丸パクリと判断出来る場合は、著作権法が適用されるようになって欲しいと願います。